『句集くすのき百』
「他とは違った仕様で、開きのよい句集を」とのご希望で、
「コデックス装」での製本をご依頼いただきました。
「コデックス装」は、本の背の綴じ糸がそのまま見える仕様で、
独特の外観とともに開きのよい仕様です。
綴じ糸の色は「黄色」をご希望され、
また見返し用紙にも「黄色」を選ばれていて、
ともに差し色として効いています。
糸と見返し以外は、ほとんど「真っ白」な装幀ですが、
それは次の100回への「新たな心境」を現しているとのこと。
といっても、ただ白いだけではありません。
表紙は、表1に「浮き上げ空押し」(エンボス加工)
表4に「空押し」(デボス加工)を施しており、
こだわりの詰まった仕様です。
さらにカバーには、透明感が美しいトレーシングペーパーを用いて
上品な印象に仕上げています。
こだわりポイントが多くあるため、ご依頼から製本までには、
たくさんの打ち合わせを重ねてきました。
テストサンプルをお送りしてご確認いただいたり、ZOOMで話しながら
細かい点を確認したりと、完成まで、根気よくお付き合いいただきました。
100回記念という特別な句集の制作を渋谷文泉閣へご依頼いただき光栄です。
句会の皆さまにとって、大切な一冊となり、次の100回への礎となることを願っております。