ここ「信州」にゆかりのある現代作家に
よる展覧会「シンビズム3」の図録です。

「シンビズム」とは、
「信州の美術」「新しい美術」
「新の美術」「親しい美術」などの意味が
込められているとのこと。

本図録も、新しい「美」にチャレンジした
変わったデザインが採用されています。

表紙に使われているのは「パチカ」という特殊紙です。
ふわりと柔らかく、しなやかさがあります。
そして、熱を加えて型押し（空押し）すると
押された部分が「半透明化」する、という
変わった特徴があります。

今回は、この「パチカ」に、
箔押し機で空押しをし、部分的に透かしを
入れたデザインに仕上げました。

ただし、すんなりと簡単に「半透明」に
できたわけではありません。

加熱や圧の加減で、うまく透けなかったり、
くっついてしまったり…試行錯誤の連続です。
何度も試作を繰り返し、ようやく写真のように
きれいな透け感が、均等に押せるようになりました。

そして、さらに面白くする工夫も。
表紙の裏面には、マゼンタに近い
濃いピンク色が、ベタで印刷されています。

このため、本を閉じた状態では、
透けた部分は、落ち着いた赤色ですが、
表紙を開くと光に透け、蛍光ピンクのような
透明感ある色に変化します。
本自体が発光しているような、
不思議な感覚が楽しめます。