『「茂木本家美術館の北斎名品展」図録』
すみだ北斎美術館で、現在開催中の
「茂木本家美術館の北斎名品展」図録です。
キッコーマン創業家の一つ、
茂木本家十二代当主 茂木七左衞門氏が収集した
「茂木本家美術館」のコレクションが、
北斎の没後170年記念として、
「すみだ北斎美術館」で展示されました。
図録は、無線綴じの上製本です。
上製本といえば、「かがり綴じ」が
まず思い浮かぶと思いますが、
今回は「無線綴じ」です。
なぜでしょう?
上製本には「下固め」という工程があります。
本文を糸でかがった後に、
接着剤で綴じ側(背)を仮固めします。
三方断裁(仕上げ裁ち)の下準備です。
この下固めの際、
ノドまでの印刷があると、インキ部分に接着剤がつかず、
かがり穴から接着剤が染み出して上がってきます。
これを「糊上がり」と言い、印刷面どうしがくっつく
「ブロッキング」の発生につながります。
今回の図録でもノドまでの印刷があり、
「糊上がり」を防ぐために、
PUR接着剤を使った無線綴じを提案し、
採用いただきました。
PURは柔軟で開きがいいのも特徴。
ノドまでの絵柄もしっかりご覧いただけます。