全国規模の仕事ができる醍醐味
高校卒業後に都内の大学に進学しましたが、就職先は小さな頃から慣れ親しんだ地元、長野市の企業を考えていました。会社説明会で渋谷文泉閣を知り、今まで知らなかった「製本」という特殊な仕事に興味を抱きました。
話を聞くなかで、全国トップクラスの製本設備や能力をもち、手がける上製本の80%を県外顧客から受注しているという全国規模の業務内容にも魅力を感じました。加えて、先輩方が生き生きと働く姿や、ものづくりの現場特有の緊張感ある雰囲気に刺激を受けたことも入社のきっかけです。
お客様と現場の橋渡し役として密なコミュニケーションを
当社が直接お取り引きをするお客様は、主に印刷会社です。営業職として、お客様のもとを訪問して商談をしたり、お見積りや作業伝票の作成といったデスクワーク、工場での現場担当者との調整などを日々行っています。
私が担当しているエリアは、九州と神奈川・千葉、そして長野市。遠方のお客様とは頻繁に会うことが難しいため、コミュニケーションを密に取り、どんな時でも素早い対応を心がけています。
受注産業であるこの仕事でお客様が求めているのは、相談や依頼に対して「できるか、できないか」という迅速な答え。そこで、見積りを依頼された場合は翌日ではなく必ず受けたその日に返答しています。
経験を着実に重ねることが仕事の自信に
さまざまな本を手がける当社の営業職は、製本工程に進むまでの「段取り」の苦労が絶えません。お客様から、色や形など多種多様な要望をお聞きし、間違いなく作業できるように社内伝票を書き起こすことは、大事な業務です。見積りの作成でも、数字を間違えれば損害を招くため、自分の判断に大きな責任を伴います。
しかし、何度もお客様との打ち合わせを経てサンプルを提案し、最終的に「本」という形ある成果を手に取れる喜びは大きく、手がけた本が書店に並んでいるのを見ることもやりがいです。
また、同じ仕様がふたつとないのもこの仕事の面白さ。だからこそ、お客様から「いいものをつくってくれた」と感謝やお褒めの言葉をいただいたり、著者や出版社の方なと゛、印刷会社の先にいるお客様の声が届くと「頑張ってよかった」と嬉しく思います。
ただ、どの仕事も同じでしょうが、覚えるまでは苦労しました。経験を重ね、ようやく自信をもって仕事ができるようになりました。まだまだ特殊な技術を要する難しい製本は手がけていませんが、これまでの頑張りが見えてきたことを実感しています。
コーディネート力を高め、頼られる存在になること
一般的な営業職は新規顧客開拓や数字面での成果が強く求められるイメージがあると思いますが、当社の営業スタイルはセールスよりも「コーディネート」。お客様が実現したい「本」を形にすることを大切にしています。当社ならではの高度な技術や、伝統を受け継いて゛きた上製本の魅力をより多くのお客様に伝えながら、信頼され、頼られる存在になることがこれからの目標です。
また、ゆくゆくは「造本装幀コンクール」で入賞できるくらいの、特殊な素材や高度な技術を用いた本を造ってみたいと考えています。営業先の商談て゛は、お客様から意見やアイテ゛アを求められ、そこて゛の提案か゛実際の仕様に反映されることも少なくありません。そのため、知識や経験を増やしつつ、さらに発想力や提案力も磨いていきたいと感し゛ています。